ようこそ ビンハウスへ

ビンハウスは、インドネシアを世に知らしめた「バティック(更紗/ろうけつ染)」、「イカット(先染め紬織)」、「絞り」といった何百年にもわたる布創りの伝統工芸に魅了されたジョセフィーヌ W.コマラ(通称ビン)によって1986年に創立されました。

ビンハウスの精巧な布は、そのどれもが現代の技術を一切使用せず、熟練の職人達の手紡ぎ、手織りの作業のみで創られています。決して妥協を許さない職人技が結集した作品、それがビンハウスの一枚一枚の布であり、同時にインドネシアの宝とも言えるでしょう。
創作には、数ヶ月、時には一年かかることもあります。作業は素材の選定から始まり、繊維から糸を紡ぎ、手織り機を使って丹念に織り上げて行きます。その後、バティッカー(ろうけつ染をする職人)、染めの職人が作業を引き継ぎ、一枚の布を完成させてゆきます。この一連の工程には、数十人以上の職人がかかわっています。

「織り」、「染め」、「仕上げ」そのすべてが手作業であり、ゆえに世界でたった一枚しかないビンハウスの布は、ファッション、繊維業界に新しい風を吹き込んでいます。繊細な柄と絹の中で広がる色彩の響宴。バティックの伝統工芸を蘇らせ、そしてその技術に斬新さを組み合わせたビンハウス独特の布は、ショールとして羽織っても、スカートとして巻き付けても、アイデアは無限大。あなたの感性で楽しんでください。

ビンハウスの世界は、インドネシアだけでなく、日本、欧米の各地へと拡がり続けています。一枚の布はエキゾチックな魅力を振りまきながら、メッセンジャーとして世界を一つにつないでいます。

ジョセフィーヌ W.コマラ(通称ビン)について

“私はデザイナーではありません。布創りが私の仕事です”

ビンが、年代物の布をインドネシア各地から集め始めたのは1970年代中頃のことです。
それらの伝統的な布と現代の布とを比較、調査したところ、彼女は機械化という時代の中で、インドネシアの布の独創的な織り、染めといった貴重な財産が失われようとしていることに気づきます。伝統の布を織り続けている職人はいましたが、その数は少なく、多くはすでに廃業していました。

そこで彼女は、時の流れと諦めることなく、数名の紡ぎ手と織り職人達と共に、染織の業界に新しい命を吹き込もうと心血を注ぎ始めます。こうして彼女とそのチームの布創りは始まりました。
70年代が終わりを告げようという頃です。

1986年、ビンハウスの初めてのお店がジャカルタに開店します。
それから時を経ず、日本とインドネシアを中心に積極的に展示会を開催、翌1987年に東京で開かれた『国際テキスタイルデザインコンテスト』では100%手織りのイカット(先染め紬織)で見事一位に輝きました。

現在、彼女の活動は布創りだけに留まりません。
テキスタイルのセミナー、シンポジウム、ワークショップ等の国際フォーラムに参加し、バティックの魅力を伝導し続けています。2001年に日本で開催された、ユネスコと豊田財団主催のシンポジウム 『国際東南アジアの職人達』 に参加したことも、そうした活動の一環です。

ビンハウスは、今やバティックメーカーとして押しも押されもしない存在になりました。偉大な功績を残した夫であり、協同経営者の故ロニー•シスワンディ
の遺志を繋ぐためにも、職人チームと創作技術の研究や実験といったビンの挑戦は、現在も続いています。